株式会社シマムラは、和歌山で180年以上続く老舗の髪油屋です。
歌舞伎の化粧下地などに使われてきた「鬢付け油」をつくり続ける一方、
国内でのオリーブ栽培の先駆けとして、
民間オリーブ園の開設にも取り組みました。
成分の配合や練り方など独自の製造技術を開発し
今も引き継がれる「紀州びん附け」。
1919年香川県小豆島に民間栽培として
日本で初めてのオリーブ園を開設。
鬢付け油は、相撲・歌舞伎・舞妓など、日本髪の文化を支えてきた髪油。
シマムラは1842年の創業以来、
鬢附け油の製造を続けてきました。
現在、その技術を担っているのは、
“現代の名工”から手仕事の技を受け継いだただ一人の若手職人。
機械では再現できない練りや温度管理など、
繊細な工程を今日も手作業で守り続けています。
ハゼの実から抽出されたモクロウ
鬢付け油の原料となる木蝋(モクロウ)は、かつて日本の暮らしを支えた素材でありながら、使われる場もつくり手も減り、文化として続けにくい状況にあります。
“素材の未来”と“技術の未来”、どちらも未来に向けて課題を抱えています。
鬢付け油は、需要の変化や原料の入手難など、存続の危機に直面した時代もありました。それでも続いてきたのは、「必要とされ続けた」からです。
今の暮らしの中で使える形にしてこそ、
次の時代につないでいける。
そう気づいたとき、私たちは鬢附け油の技術を、現代の整髪料として再構築することを決めました。
伝統の鬢付け油に欠かせない木蝋のツヤとまとまり、シマムラが長く大切にしてきたオリーブオイルのうるおい。この“技”と“歴史”をひとつに重ね、今の暮らしに寄り添うちょうどいいバーム─ BIN BALM をつくりました。
これは、伝統をただ残すためではありません。日常の中に息づく形で、文化の灯を未来へつなぐための挑戦です。